個人向け確定申告(青色申告)ノウハウまとめ

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はじめに

確定申告(青色申告)のノウハウをここにまとめていきます。
こちらは個人向けのものです。

1年に1度だから、毎年その時期には既に忘れている事がたくさん。
ということで、未来の自分の為に、こうした手順をまとめておいてあげる事は結構な手助けになります。
必ずまず一回読み返してから作業を開始しましょう。
毎年過去の自分に感謝します。


事前の準備

青色申告の前提の確認

・青色申告は税務署に事前に申請しておかないと行う事は出来ません。
また、取り消しなどを行った場合には、2年経たないと再申請は出来ません。

・前年度の対象期間は、西暦・和暦で何年か。
今年度の対象期間は、西暦・和暦で何年か。
前年度の帳簿は用意して、照らし合わせながら作業は進めていきましょう。

・帳簿類は以下の年数保存する事が義務づけられています。

帳簿 7年
決算関係書類 7年
現金預金取引等関係書類 7年(前々年分所得300万円以下の方は、5年)
その他の書類 5年

銀行口座

銀行口座は、個人用途と、事業用途は分けておいた方が良いです。
利息の取り扱い等を分ける為にも必要になります。
事業に必要なお金は事業主貸として入金しましょう。


クレジットカード

クレジットカードは、個人用途と、事業用途は絶対に分けた方が良いです。
また、銀行も事業専用の口座と結びつけましょう。
それにより、例えば、クレジットの支払いの中身を気にしない、引き落としと対応した未払金処理が可能になります。

また、青色会計をする上での費用の計上の仕方は、現金主義ではなく、発生主義なので、クレジットカードの仕訳は、引き落とされた時ではなく、使った日を使って未払金として計上、引き落とし日に未払金を精算という処理が必要になります。
特に年度をまたぐ部分、前年度未払金として残っている部分については、きっちり支払いで相殺しているか、対応関係をチェックしておきましょう。

また、アフィリエイトなども、広告支払日が決まった日を、売掛金として形状、払込日に売掛金を解消する事になります。
2度も記帳という事で、面倒ですが、きっちりやるには、その点も意識しましょう。


会計ソフトの決定

個人的にはクラウド系ソフトを個人レベルでは推薦しています。
銀行口座と連携したクラウド型会計ソフトが出た事でその敷居は下がりましたが、
一回使うとそのノウハウや、前年度データが後でも使えるので、意外と会計ソフトの変更は難しい部分があります。
よく研究して、自分が良いと思った物を選びましょう。

クラウド型会計ソフトとしてはfreeeマネーフォワード確定申告が現在2強と言えるかと思います。
比較記事はこちらをご参照下さい。


まとめ

それぞれ使ってみて、自分にとって使い勝手が良い方を使えば良いと思います。
比較のポイントは
必須チェック: 自分が使っている金融機関、クレジットカードに対応しているか(対応していなければ、対応している所に移行するのもあり)
なお、新生銀行のように、カード情報の番号表の入力までリクエストしてくるものは、セキュリティ上問題があるので、それは対応しているといっても、対応していないと考えた方が安全です。


会計関係のファイルの置き場所

インストール型ソフトや、銀行取引履歴のファイルは、自分の手元のDiskに置くより、Google Driveのようなものを使った方が良い。
PCが壊れて過去の履歴を辿るのが困難になると、再度やり直しが必要になったり、会計作業は地獄と化すので。
ネットワークに繋がっていれば、出来ればGoogle Driveのようなものの利用をお勧めする。
何だかんだいって、自分のPCのHDDよりGoogleのHDDの方が信頼性は高いので。
あと、その年毎の注記メモも残しておくようにする。


ルーズリーフ

・領収書を貼るルーズリーフは2穴だとそこが切れる可能性が高いので、全穴に通せるタイプにする。
また領収書はかさばるので、厚ければ厚い方が良い

・紙袋に領収書関係は年で分けてまず突っ込んでおく。

・事後の区分け用に透明のビニールケースもあれば活用する。内容をすぐ確認できるのが紙袋に対して役立つ時もある

・ルーズリーフの紙を12ヶ月分分けておけるスペースを床に確保する

・ルーズリーフに領収書は、一回の作業で貼れるホチキスでやる。

・ルーズリーフの紙をルーズリーフに挟むのを最後にすれば、紙の中側も活用する事が出来る。


銀行口座&ネット取引

オンライン会計ソフトを使っていない場合は、銀行口座の履歴を自分で集めていく必要があります。

・ネットバンクの取引履歴はCSV出力が出来る所がほとんどの筈なので、それを活用し、保存しておく。
それを記帳に使う場合には、Excelで開いて、xlsとして保存して、一番上のメニューの部分をオートフィルターすることで、種類で絞れるようにする。
仕訳日記帳に記載したら、その行の色を変えて、記載済みという事が分かるようにしておく。

・銀行(特にネット銀行でないところ)は履歴を直近3ヶ月等、前年1月からのデータを取得出来ない所がある。
例えばCity Bankは直近180日しかダウンロード出来ない。
確定申告時に履歴が分からなくなるような銀行がないか確認しておく。
そういうところがあったら、定期的に履歴を取るように気を付ける。
一番良いのは、前年1月からの履歴を取得出来ない銀行は使わない事。
一般的にネット銀行の方が遡れる過去分が大きい(例:ジャパンネット銀行は今の所全部見れる)。


源泉徴収書

・会社から貰った源泉徴収書はコピーして提出しても手元にも残るようにする

・信頼できそうな巨大な会社でも支払い調書の金額をよく計算ミスをする。
念の為、自分が貰った額と確認しておいた方が良い。
事前にチェックして問題があったら期限前に修正して貰ったのを送って貰う。
間違いに気づいていてもあっちからは送ってこないことがままある。


源泉徴収書の正否簡易確認方法(外交員報酬の場合)

・外交員報酬の場合、毎月12万円以上貰っているのなら
源泉徴収額x10+12万円x12ヶ月
で「支払い総額」が大体計算できるので、それとづれていないか確認する。


前年度の提出書類控え

前年度の状況確認が何かと必要になることもあるので、用意しておきましょう。


仕訳

まずすべきこと

クレジットカードとか、年をまたぐけどすぐ支払う未払金がある場合には、それを先に記帳して、その分の未払金が貸借対照表から消える事を確認しましょう。

例: 前年度

12/15 水道光熱費 10,000円 未払金 10,000円
12/31(決算仕訳) 事業主貸 10,000円 水道光熱費 10,000円

今年度

1/27 毎月の口座引落し日 未払金 10,000円 普通預金 10,000円

基本

1年ぶりに会計すると、その度に忘れてしまっていたりするので、まず基本を確認しよう。

費用科目 現金 or 普通預金
現金 or 普通預金 売上

・12か月分あったか後でチェックするもの
– 地代家賃
– 電力
– データセンター経費
– ネット代金
– 携帯代金

なお、地代家賃、電力代金については、もしも自宅兼事業所なら、面積等で事業用を按分する。
簡単にやるのなら、業務兼生活の部屋が1、生活用の部屋が1なら、
1/2 * 1/2 = 1/4
をかけた金額を、地代家賃と電気代として計上する。


固定資産(償却資産)の仕訳

固定資産とは

20万円以上のものは固定資産となり、その年に一気に費用として計上をする事は出来ず、減価償却で計算しないといけない。
なお、固定資産税の申告とは条件が異なる所があるので注意。
固定資産税は10万円以上が対象だが、10万円以上20万円未満の固定資産は、一括償却資産として計上すれば、固定資産税申告はしないで済む。

なお、ものによって耐用年数は異なるので、確定申告書についてくる表などで確認する。

例えば、パソコンとサーバーでは耐用年数が違う。
2010/03現在で
PC = 4年
サーバー = 6年

なので、

20万以上になる = 超面倒
10万以上になる = 面倒だが何とか許容範囲

という事は覚えて買い物をしましょう。


有形固定資産と無形固定資産

ソフトウェアなど無形固定資産に該当する資産(無形減価償却資産)は、残存価額が「0円」になるまで償却しますが、
サーバー等有形固定資産は残存価額が1円になるように計算します。


紛らわしい言葉:「一括償却」と「即時償却」

「一括償却」と「即時償却」は意味が全然異なる
一括償却とは資産を事業年度ごとに分割して○年間で償却すること。
即時償却とは資産を1年で償却すること。
即時償却は年度毎の例外条件で使える事がある。


一括償却の仕訳

10万円以上20万円以下の資産については、一括償却資産の選択が出来る。
この場合、固定資産税が発生しない。
特別な理由が無い限り、一括償却資産として取り扱うのが良い。
20万を超えると固定資産として取り扱う事が必須になる。
3年償却で、使用ヶ月に関わらず1年目に1/3計上して良い。
1/3をした時生じる1円未満の、端数処理 (切上げ・切捨て・四捨五入) は任意の形式を採用して良い。

仕訳の仕方は買った時に

借方科目 金額 貸方科目 金額
一括償却資産 180,000 現金 180,000

決算時に

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 60,000 一括償却資産 60,000

但し、会計ソフトは、大概「固定資産管理」の方に登録して、そこから仕訳書き出しで自動的にその年の費用分が計上するという仕組みがあるから(弥生会計とマネーフォワードはそうだった)、そちらの機能を使えば直接仕訳表の方に決算時の減価償却費は記録しなくても良い。


償却率の計算

資産の償却は「定率法」と「定額法」のどちらかを選んで行う。
固定資産税の為に資産の申告をする時にはどっちを採用するかと書いて提出している筈なので、それに従って計算を行う。
減価償却の額については、固定資産帳に記載して、会計ソフトに任せるのが良い(対応しているソフトなら)。


その他仕訳の注意

クレジットカードで支払いした時の仕訳

青色申告は発生主義で記録をするものなので、

クレジットで支払った日付 消耗品 未払金
クレジットで引き落とされた日付 未払金 普通預金

という風に仕訳を行う。
発生の認識という意味では、2月時点とかで来る利用明細とかにも12月使用のが含まれたりするので、注意。


生活資金の引き出しの仕訳

自分の生活費として下ろした場合などは

事業主貸 普通預金

といったように仕訳する。
こうする事で次期の元入れ金が減る。
年度締めに数値を綺麗にする形で調整するのが良いだろう
(余り資本がでかく過ぎるのも問題なので)。


アフィリエイトのような広告収入の仕分け

成果の確定日付(基本的に該当月の最後)と、支払い日付のタイミングはずれるので、売掛金として処理します。

借方科目 貸方科目 金額 摘要
2014/12/31 売掛金 売上高 66,437 ファンコミュニケーションズ
2015/02/27 普通預金 売掛金 66,005 ファンコミュニケーションズ
2015/02/27 支払手数料 売掛金 432 ファンコミュニケーションズ

相手に源泉徴収をして貰っている売り上げの計上(amazonとか)

源泉徴収を相手にして貰っているのはまず売掛で売上を相殺して実際の振込額は普通預金に、徴収分は事業主貸で相殺

借方__貸方

売掛金:30万300円 売上:30万300円
振込手数料:300円 売掛金:300円
事業主貸(源泉):2万円 売掛金:2万円
普通預金:28万円 売掛金:28万円

ここで相手から源泉徴収票をきちんと貰って提出しないと源泉徴収の2重払いをする羽目になりかねないので注意。
売掛金は売掛金発生時に計上。


家事按分の仕訳

家事按分比率を20%にした場合

毎月の検針日 水道光熱費 10,000円 未払金 10,000円
毎月の口座引落し日 未払金 10,000円 普通預金 10,000円
決算仕訳(12/31) 事業主貸 2,000円 水道光熱費 2,000円

年度をまたぐ場合

前年度

毎月の検針日 水道光熱費 10,000円 未払金 10,000円
決算仕訳(12/31) 事業主貸 2,000円 水道光熱費 2,000円

今年度

毎月の口座引落し日 未払金 10,000円 普通預金 10,000円

税金は経費に出来ない

市民税/県民税は経費にならない


ポイントは計上しないように注意

ヨドバシなどの領収書はポイント使った分まで含めて書かれているから、その分を差し引いた額で見る


期末の仕訳

期末には事業主借と事業主貸を相殺する。
会計ソフトによっては年度切り替え時に自動的にやってくれる。
仕訳自体は

事業主借 元入金
元入金 事業主貸
前年繰越利益 元入金

前期末元入金+事業主借-事業主貸+青色申告特別控除前所得金額
が翌期の元入れ金となる。


地代家賃関連

賃貸料と更新料は別の仕訳。
20万円以上だと更新料は資産となり、減価償却対象となる。


経費に計上できそうでできないもの

スーツは仕事がなければ買う事はないかもしれませんが、どこからがプライベートなのかがはっきりしないため、経費としては認められません。


提出書類の作成

仕訳の最終確認

損益計算書

損益計算書を見て、不自然な数値が無いか確認。
最終的に問題なければ、年度締めして、次の期のも見て、問題ないか確認する。


貸借対照表

貸借対照表を見て、不自然な数値が無いか確認。
最終的に問題なければ、年度締めして、次の期のも見て、問題ないか確認する。


仕訳一覧

仕訳リストを一読


未払金

貸借対照表の未払金の金額が想定しているものになっているかどうか。
ちなみにマイナスだったら、未払金の記録に何かしら抜けているものがあるという事。
来期に支払いが残る未払金が何なのかはリストして(総勘定元帳を未払金に絞って見てみる)、確認&来期の消し込みに活用しましょう。


固定資産

今年取得した固定資産が、固定資産台帳に記載漏れしていないか確認しましょう。


復興特別税

復興特別税が震災の影響で課せられるようになりましたが、小数点は切り捨て計算して問題ありません。


株の売却で第三表を使った場合

第二表の数値を途中迄作成し、第三表で第二表の値を入れるという所に入れていき、そして第二表に第三表の数値を入れると書いてある所に数字を入れる事で、最終的な税額は第二表に統一されるようにする。
なお、会計ソフトは、第三表を使った流れに対応していない状態である事も現状は多いようだ(2014年3月時点で、少なくともクラウド型会計ソフトは対応していなかった)。
なので、そこの部分は手で対応する。


各種控除の確認

医療費控除の確認

生計を共にする者の医療費支払い金額の合計が10万円を超えた場合には控除が受けられます。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1120.htm


扶養控除

12/31時点での状態に応じて適用できる。


提出

印刷・作成

・実際に紙に印刷する前に、印刷プレビューで眺めた方が良い。
また、紙の印刷以外にPDFも作っておいた方が良い。

毎年青色申告をしていても、税務署からは一般用の書類が送られてきたりするが、青色申告用の用紙で提出するように注意。

但し、手書きはミスをしたら書き直しが大変なので、
https://www.keisan.nta.go.jp/
で、決算報告書と青色申告書も作ってしまうのが楽。
ウェブ上での記入だが、データの保存をする事が出来る。
数字は、会計ソフトで作った決算報告書からコピーするのが間違いが無くて良い。
手書きで紙に書く事はお勧めしない。

なお、クラウド系ソフトは全部必要なものは現在出力出来る。
弥生会計は年度縛りの為、そこが出来ないので、無駄な苦労をする事になっていた。


申告書の提出

・3月15日が土日なら期限は前ではなく後にずれる

・期限に遅れると控除が受けれなくなったり課徴金を取られたり貧乏になる

・最終日に完成してなくても17時までにかけこめば追い出されない。仲間は一杯いる。あと少しという所まで出来ていたら、何とか自分の体だけでも届けよう。
但し、税金の支払いがある場合には、郵便局の窓口の締め時間が制約となるので、それに間に合うように移動しないといけない。
自動引き落としにしておけば、提出さえ間に合えば大丈夫なので、税金は自動引き落としにする手続きを先にしておくと良い。

・郵送での期限は消印基準。メール便は駄目

・到着時をどう解釈されるのか分からないが、ポストでの受付もしていて、ポストは24時まで空いているので、手で持っていって、自分で配達・投函するという手もある。


その他税金

所得税とは別に後でかかってくる税(個人事業税、住民税)もあり、それもこの申告の所得額によって決まる。

・事業所得又は不動産所得の金額が事業主控除額(年290万円)を超える場合は5%分、個人事業税が後で取られる。

・所得が多ければ住民税も高くなる。所得税に比べ控除額が少ない。


修正申告の出し方

何らかの手違いで、申告した後に間違いが見つかった場合


還付を受けるお金がある場合

過去5年にさかのぼって行う事ができる


逆に納める額が少なかった場合 & 還付金を返す必要が出た場合

最大7年間に遡って作り直し。